最高の人生の見つけ方(2007)

最強のふたりって映画があるじゃないですか。それだと思って観たんですね、違う話でした。ところで今あらすじ思い出すために調べてたらなんと吉永小百合天海祐希で日本版リメイクとな!10月11日公開…日本かつ女性ということでどう変わるか大変楽しみであります!むんむん!賀来賢人も出る!むんむむん!

黒人で普通の労働者のカーターと実業家で大富豪のエドワード。合理主義なエドワードの方針により二人一部屋が絶対の病院に入院しているカーターと、その同室となったエドワード。病気の苦しみに共感したり徐々に親しくなる2人に医師から余命半年が告げられます。
以前から棺桶リスト(死ぬまでにやりたいことリスト)を書いていたカーター。エドワードの行動力と金銭力によって男2人、人生最後の旅に出ます。

プライベートジェットで移動してスカイダイビングしたりなんだりをする2人。家族のことも話します。離婚して娘からも絶縁されているエドワード、妻子を置いて最後の時間を友人と過ごすカーター。しかし、カーターは家族の元へ帰ることを決めます。離れる最後に娘との誤解を解くためのチャンスをエドワードに与えようとするもあまりに突然のことで激昂するエドワード、2人は結局喧嘩したまま別れることとなりました。
笑顔の家族に囲まれて幸せな時間を過ごすカーターと1人モデルルームのような部屋で食事の準備をするエドワード。
対照的な2人の姿が見えたところでカーターが倒れてしまいます。
カーターの病室にやってきたエドワード。話し合った2人は大笑いし、カーターは手術へ向かいました。しかし彼が帰ってくることはありませんでした。

カーターが最後に書いた手紙を読み娘に会いに行くエドワード。誤解は解け、生まれていた孫に幸せなキスをします。エドワードはカーターの葬式で答辞を読みます。少し前まで他人だったのに濃密な時間を過ごし、目の前にある死を分かち合った2人でした。
しばらくしてエドワードをこの世を去ります。エドワードの秘書は2人の遺骨を入れた缶をエベレストの頂上に置きます。棺桶リストの壮大な景色を見るという最後の1つが叶えられました。

主人公が自動車整備の黒人と大富豪の白人というわかりやすい社会性を現したものであり、ホモソーシャルな社会を示しているように感じます。時間は有限かつ少ないけれど莫大な資産により今までの人生でできなかった自由を謳歌する中間層の労働者と、資産を持ちながらも友人や家族を得ることができなかった大富豪というものは死を目の前にした2人だと考えると胸に刺さります。
ですがカーターは父であり、夫でした。死ぬ前の数ヶ月を出会ってすぐの男と延々と過ごしたことを家族はどう思ったのか。それが描かれず夫として戻ってきたことを受け入れるシーンしかありません。もちろん死を間近にした人間にそんな細かいことを叱責することなどできないのかもしれませんが、自由がなかったのは母親であるバージニアだって同じだったはずなのです。選んだのはカーター自身であり、また仕事を選んだのもエドワード自身なのです。
何かを得るには何かを犠牲にしなければなりません。それは社会の中間層には抗えない事実ですがカーターは幸運にも全てを得てそして眠りにつきました。

それでも置き去りにされているものもあります。男性側からの視点と女性側からの視点では見えるストーリーが大きく違うような気がします。